Tuesday 29 January 2019

Pride and Prejudice

Pride and Prejudice 

かの有名な、ジェーン・オースティンの長編小説です。

英国の新しい10ポンド紙幣(というかプラスチック幣)の顔となっている、
あの、ジェーン・オースティン。

エリザベス女王と肩を並べているわけではないですが、
女王の顔の裏に印刷されているんですよ!すごいことです。

そんな高名な作家の有名な長編小説ということで、なんとなく敷居が高くて、
今まで映画やドラマを見たこともなければ、もちろん本を読んだこともなく、
登場人物の名前や、あらすじさえも知りませんでした。

非国民!

って、ワタシ、英国民じゃないけど。

有名な作品だし、何と言っても10ポンド札だし、エリザベス女王の裏だし、
ワタシは英国民ではないけれども、せめてあらすじくらいは
知っておかなければと、重い腰を上げて映画を観てみました。

2005年の、キーラ・ナイトリー主演のバージョンです。


こんなやつね。

これを見た感想。

こ、、、これは、、、

少女マンガや!!!

もちろん、名作長編小説を2時間におさめる為に、
ストーリーを大幅にはしょっていると思います。、

そして、この作品は、主人公の二人の恋愛を軸に
他の枝葉をはしょったバージョンなのかもしれません。

原作や、他のバージョンのドラマや映画を知っているわけではないので、
この作品だけを見て判断してはいけないのは分かっていますが。。。

それにしても、少女まんが!

こんな、少女マンガな作品が、世の中の知識人に教養の一つとして
読まれているのかと思うと、ちょっとオモシロイ。

ベルばらも頑張ったら、いいセンいくかしれないです。

よく考えたら、かの有名な「戦争と平和」とかも
どんなに重々しいストーリーかと思ったら、
いやもちろん、戦争に関する部分は重々しいですが、
あの長大な小説においては、登場人物の恋愛模様も
結構大きなウェイトを占めていると思うのですよ。個人的には。

お前ら、恋愛しかやること無いんか!

と、つっこみたくなるくらい。

まあ、戦争もしてるけど。

まあね、アリストクラットって生活の為に働かなくてもよいんだから、
やることなくて、恋愛とか結婚とかしか考えることないんでしょうね。

今も昔も。

本当に家柄が良い人達って、学歴なんか必要ないし。


閑話休題。

Pride and Prejudice 。

この映画ので特に興味深かったのは、登場人物の女性達が
妙齢の男性の魅力を語る際に、年収がまず始めにくるっていう所。

「あそこにいるのは、年収4,000ポンドのミスター・ビングリー。」
「その隣にいるのはミスター・ダーシー。彼の年収は、10,000ポンドよ!」

パーティで男性の品定めをしているうら若き女性達が、
こんな会話をしてるんですよ。

今も昔も、女性って、、、お金持ちに弱いのねえ。。。

ジェーン・オースティンにはがっかりされるかもしれませんが、
ワタシが、Pride and Prejudice で一番印象に残ったポイントはこれです。

これは、このバージョンを見たことによる感想かもしれません。

是非、原作を読むか、他のバージョンのドラマなり映画なりをみて
検証してみたいと思います。

Friday 18 January 2019

本リスト

このブログは、私自身の読書備忘録なのですが、
ダラダラと記事をアップしている為
データとして整理されてないというか、
あまり備忘録としての役割を果たしていない事に気がつきました。

というわけで、今までにアップした記事と、
最近読んだのでこれから記録しようと思う本のリストを作ってみました。

昔は、こんな感じのリスト+感想をワープロとかエクセルを使って
記録していたのですが、データを紛失してやる気をなくしてしまって。。

なので、これは自分自身の為の記録なのですが、
なくさないようにブログの一部として公開しておきます。

↓↓↓ 本リストはこちらをクリック
本リスト

漁港の肉子ちゃん

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「遅れる遅れる遅れる誰とも約束ないけどー。」

(漁港の肉子ちゃん 西加奈子著 より抜粋)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一時帰国で大人買いした本は、まだあります。

なんていったって、「大人買い」

スーツケースの半分本で埋まりましたからね。

先日読み終わったのは、西加奈子さんの
「漁港の肉子ちゃん」

「通天閣」を読んで以来、西加奈子さんに興味を持ったワタシ。

気に入った作家の作品を集中して読む傾向があるワタシは、
一時帰国の際に彼女の作品を数点買ってきたのです。

多数ある彼女の著書のうち、今回この作品を選んだのは、
アマゾンのレビューの星が多かったから。

ワタシは、ネットのレビューを気にする傾向があるのです。




~~~~~~ あらすじ(アマゾンjpより転載)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。
肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。
太っていて不細工で、明るい―
キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。
ちゃんとした大人なんて一人もいない。
それでもみんな生きている。
港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、
そっと勇気をくれる傑作。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、読んでみた感想は。。。

これは、、、面白い!

今までに読んだ西加奈子さんの本の中で、一番好きかもしれません。
アマゾンレビューの好評価もうなずけます。

なんと言っても、肉子ちゃんのキャラ勝ちです。
それと、この物語の主な語り手となっている、娘のキクりんの語り口調。

クールなキクりんがすてき。

このクールなキクりんの語り口調は、そのまま、作家西加奈子さんが、
世の中をとても冷静に観察していることを意味します。



どれくらい冷静に観察しているかとうと、冒頭の秀逸な一節、

「遅れる遅れる遅れる誰とも約束ないけどー。」

この一節が、トカゲから発せられるくらい、冷静です。

この一説を目にした時のワタシの感想。

やられた~!

いやあ、もう、コテンパンにやられてしまいました。

このように秀逸な、やられた~!という一節が、
この本の随所に登場します。

ぜひ、ご一読ください。

Friday 11 January 2019

なたぎり三人女

セミリタイアして、以前より多くの時間を
読書に充てることができるようになったのを良い事に、
家にある、随分前に読んだ本など再読したりもしています。

その中の一冊がこれ。

群ようこさんの「なたぎり三人女」


なたぎり三人女 (幻冬舎文庫)

~~~ あらすじ(アマゾンjpより転載)~~~

ヒロコ・物書き41歳、ミユキ・ヘアメイクアップアーティスト44歳、マキコ・イラストレーター39歳。ある時は将来のために食堂経営を計画、ある時は体の衰えを気にしてダンベル体操、そしてある時は頑張る自分にブルガリの指輪をプレゼント…。迷いながらも人生を楽しむ、酸いも甘いもかみわけた大人の女三人の、ささやかだけど豊かな日常。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一応、小説(フィクション)なのですが、
おそらくこの小説は、群ようこさん本人とその友人が
モデルなのではないかと思われます。

中年の独身女性三人の、なんということもない日常を描いた小説なのですが、
色々と問題が起こるとはいえ、三人がとても仲良く、
なんともお気楽に生活しているのが羨ましくなります。

そして何よりも羨ましいのが、三人ともしっかりとした仕事をもち、
かなり収入もよさそうな感じなところ。

今はセミリタイアした、元しがないサラリーマンのワタシには
こんなにゆったりした生活は無理だなあ。

でもまあ、物質的には無理でも、せめて精神的には
この三人と同じくらい、ゆったりと生活したいものです。

さて、ふと気がついたのですが、中年の独身女性三人という構成は、
先日読んだ「かもめ食堂」と、とても似ていますね。

そして彼女達が、同じ女性から見て、
なんとも羨ましい日々を送っているという点も同じです。

群ようこさんの小説には、中年の独身女性がたくさん出てきますが、
皆、悲壮感がなく、人生を楽しんでいる女性ばかりです。

ワタシは彼女の小説を愛読しているのですが、

なぜなら、彼女の小説は、Feel Good Novelであるからです。

凶悪な人が出てくるわけではなく、
悲惨なことが起こるわけでもない。
心を揺さぶられるような悲しい出来事が起こるわけでもなければ、
読後に深く考えさせられて落ち込む事もない。

登場人物はすべてほどほどに良い人でユーモラスで、
時折出てくる悪役も、そんなに極悪なわけではない。

なんてことない日常が淡々と描かれていて、
読後にほのぼのとした気分になれる小説を
ワタシは Feel Good Novelと分類します。

そんな Feel Good Novel、ワタシにとっては
日本の作家の中では、群ようこさんが一番ですね。

ちなみに、英語の本では、Alexander MacCall Smith の
The No.1 Ladies' Detective Agencyシリーズが
ワタシにとっての Feel Good Novel です。

The No.1 Ladies' Detective Agency も、是非近いうちに再読せねば。