Friday 11 January 2019

なたぎり三人女

セミリタイアして、以前より多くの時間を
読書に充てることができるようになったのを良い事に、
家にある、随分前に読んだ本など再読したりもしています。

その中の一冊がこれ。

群ようこさんの「なたぎり三人女」


なたぎり三人女 (幻冬舎文庫)

~~~ あらすじ(アマゾンjpより転載)~~~

ヒロコ・物書き41歳、ミユキ・ヘアメイクアップアーティスト44歳、マキコ・イラストレーター39歳。ある時は将来のために食堂経営を計画、ある時は体の衰えを気にしてダンベル体操、そしてある時は頑張る自分にブルガリの指輪をプレゼント…。迷いながらも人生を楽しむ、酸いも甘いもかみわけた大人の女三人の、ささやかだけど豊かな日常。

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一応、小説(フィクション)なのですが、
おそらくこの小説は、群ようこさん本人とその友人が
モデルなのではないかと思われます。

中年の独身女性三人の、なんということもない日常を描いた小説なのですが、
色々と問題が起こるとはいえ、三人がとても仲良く、
なんともお気楽に生活しているのが羨ましくなります。

そして何よりも羨ましいのが、三人ともしっかりとした仕事をもち、
かなり収入もよさそうな感じなところ。

今はセミリタイアした、元しがないサラリーマンのワタシには
こんなにゆったりした生活は無理だなあ。

でもまあ、物質的には無理でも、せめて精神的には
この三人と同じくらい、ゆったりと生活したいものです。

さて、ふと気がついたのですが、中年の独身女性三人という構成は、
先日読んだ「かもめ食堂」と、とても似ていますね。

そして彼女達が、同じ女性から見て、
なんとも羨ましい日々を送っているという点も同じです。

群ようこさんの小説には、中年の独身女性がたくさん出てきますが、
皆、悲壮感がなく、人生を楽しんでいる女性ばかりです。

ワタシは彼女の小説を愛読しているのですが、

なぜなら、彼女の小説は、Feel Good Novelであるからです。

凶悪な人が出てくるわけではなく、
悲惨なことが起こるわけでもない。
心を揺さぶられるような悲しい出来事が起こるわけでもなければ、
読後に深く考えさせられて落ち込む事もない。

登場人物はすべてほどほどに良い人でユーモラスで、
時折出てくる悪役も、そんなに極悪なわけではない。

なんてことない日常が淡々と描かれていて、
読後にほのぼのとした気分になれる小説を
ワタシは Feel Good Novelと分類します。

そんな Feel Good Novel、ワタシにとっては
日本の作家の中では、群ようこさんが一番ですね。

ちなみに、英語の本では、Alexander MacCall Smith の
The No.1 Ladies' Detective Agencyシリーズが
ワタシにとっての Feel Good Novel です。

The No.1 Ladies' Detective Agency も、是非近いうちに再読せねば。

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