Thursday 27 February 2020

単語帳:フラグとデフラグ

フラグとデフラグ。

両方とも、IT用語ですね。

仕事で、システムエンジニアさんとシステムの仕様の話なんかをしていると、「フラグをたてる」という言葉を耳にする事があります。

一方、コンピューターが遅くなった時に詳しい人に相談すると、「デフラグしてみたら?」なんてアドバイスされる事があります。

ワタシ、けっこう最近まで、このフラグとデフラグは、関係する単語だと思っていたのです。

英語って、接頭語とか接尾語とかがありますよね。

「接頭語や接尾語を覚えて、英語の語彙を増やそう!」みたいな英語教材があったりするくらい。

なのでワタシは、「フラグ」という言葉があって、それに接頭語の「De」がついて「デフラグ」になってるのかなあ。なんて漠然と思っていたのです。

ある日ふと、英語でシステム関係の書類を読んでいた時に、日本語ならばおそらく「フラグをたてる」というであろう感じの文で使われている単語が「Flag」である事に気が付いたのです。

ちなみに「フラグをたてる」の、IT用語としての意味をググッてみたところ、プログラミングにおいて、条件によって変化する数値のことを「フラグ」と呼ぶそうです。

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設定した条件が満たされれば「True」とか「1」、満たされなければ「false」や「0」などに数値が変化。「true」や「1」になる条件を設定することを「フラグを立てる」、「false」や「0」の場合は「フラグを下ろす」と言います。

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つまり、条件を満たした場合に「フラグ=旗」をたてるわけですね。

ああ。そういう事だったのか!

今さらながら、納得です。

では、「デフラグ」は?

「デフラグ」は、英語では Defragmentation 、ハードディスクなど記憶装置の断片化(フラグメンテーション:fragmentation )を解消する処理のことです。

fragmentationを某ア○ク辞書でひくとこんな感じ。
ついでに fragment もひいてみました。

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fragmentation

〔物を破片に〕分裂[破砕]すること
〔思想や組織などの〕分裂、分断
〔手りゅう弾などの〕破砕、破片
《コ》フラグメンテーション、断片化◆【参考】defragmentation ; memory compaction
《生物》〔染色体の〕断片化、切断
レベル11、発音fræ̀gməntéiʃən、カナフラグメンテイション、フラグメンテイシュン、分節frag・men・ta・tion

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fragment

〔壊れたりはがれたりした〕破片、かけら
〔未完成または不完全な〕一片、断片
自他動
砕ける、寸断する
・Cubism stresses abstract structure by fragmenting the form of those objects to be depicted. : 立体派は表現される対象物の形を寸断することによって抽象的構成を重要視する[に重きを置く]。
レベル6、発音frǽgmənt、カナフラグメントゥ、変化《動》fragments | fragmenting | fragmented、分節frag・ment

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この、Defragmentation (デフラグメンテーション)が、短くなって「デフラグ」となっていたわけなんですね。

確かに長いよねえ。

「De」は、確かに接頭語ではあったようなので、ワタシのにらみが100%外れていたわけではないかもしれませんが、「flag」の反対ではなく、「frag (mentation)」の反対だったわけですね。

L と R 違い。

悔し~い!!!

IT用語は、日本に入ってくる時にカタカナになってるから、日本語でIT用語を習ってしまうと、こういう時につまづいてしまうんですよねえ。

でもまあ、IT用語をカタカナを使うこと無しに完全に和訳しようと思ったら、日々ものすごいスピードで進化する世界のITテクノロジーについていけません。

もういっその事、日本のIT業界はカタカナも廃止して、全部英語でやっちゃったほうが早いんじゃないでしょうか。


Friday 21 February 2020

単語帳 : crush on you

Crush on someone

(人)に恋している、~に強い憧れを感じている (口語)

という意味の口語です。

Crush on someone は、「愛」ではなく、「恋」という訳語がしっくりきます。

日本語で、恋愛感情をもった場合に使う「好き」という言葉の英訳は、

I like someone. が一番一般的だと思いますが、

少女マンガのような、ハラハラドキドキウキウキワクワクするような、

「恋💖」という感じの「好き」は、Crush on someone がけっこうしっくりくる訳語なのではないでしょうか。


なぜ、突然こんな単語をとりあげたかと申しますと、先日、徒然日記の方で、ネットフリックスオリジナルの韓国ドラマ、「Crash landing on you 」を話題にしたのですが、

韓国ドラマの少女マンガっぷりに完敗 and 乾杯。
https://floatingonwatermeditate.blogspot.com/2020/02/and.html

特にアジア地域で、どうやら大人気になっているらしいこのドラマ、ググッてみると、邦題はどうやら「愛の不時着」というらしいです。

でも、ワタシはこの「愛の不時着」という邦題に、いまひとつピンと来ないのです。

この、少女マンガがそのままスッポリ実写になったようなこのドラマは、「あなたに緊急着陸❤️」ぐらいな感じの、軽めのタイトルの方がピンと来るんです。

これは何故かと考えてみたところ、おそらく、Crash landing on you という文字列が Crush on you を連想させるからではないかと。

Crash とon you という単語の存在によって、なんとなくCrush on you を連想してしまう為、 オドロオドロしい「愛」というよりは、胸がキュンキュンするような「恋💖」というイメージが頭の中にできてしまうのです。

少女マンガに例えてみると、「愛の不時着」だと、「砂の城」みたいなを深刻な物語をイメージしてしまいますが、Crush (Crash landing) on you の語感から感じられるのは、「ときめきトゥナイト」くらいの軽さ。(「ときめきトゥナイト」も、途中からけっこう深刻なストーリーになりますが。)

なので、「あなたに緊急着陸❤️」くらいのほうがピンとくるような気がするのです。

実際にドラマをみた感想も、「あなたに緊急着陸❤️」という感じ。

たぶん、英訳をつける際に、「恋💖」を連想させる為に、ワザと Crash landing という言葉を選んだんじゃないかなあ。

タイトルの訳って、難しいですね。

Friday 14 February 2020

単語帳:extradite

2019年の年末、日産元会長のカルロスゴーン氏が、あたかも引田天功のように日本を脱出いたしました。


  • プライベートジェットでは荷物の検査がゆるくなる。
  • 関空には一定以上のサイズの箱はスキャナーにかけれない。
  • 年末年始の出国ラッシュで空港はてんやわんや。


こういった状況を利用しての脱出劇でした。

ゴーンさん。なかなかやるなあ。

さて、このように、容疑者が国外脱出した場合、次に問題になるのは、当事国間での身柄の引渡しです。

このことを、英語では extradite(動詞)もしくは、extradition (名詞)と言います。

日本語だと長いですが、英語だと一語で済むんですね。

某ア○ク辞書を引いてみると、こんな感じです。

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extradite
他動
〔犯罪【容疑】者を管轄国に〕引き渡す、送還する
レベル12、発音ékstrədàit、カナエクストゥラダイトゥ、変化《動》extradites | extraditing | extradited、分節ex・tra・dite


extradition

〔犯罪【容疑】者の管轄国への〕送還、引き渡し
レベル11、発音èkstrədíʃən、カナエクストゥラディション、エクストゥラディシュン、変化《複》extraditions、分節ex・tra・di・tion

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Oxford English Dictionary ではこんな感じ。

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extradite
VERB
[WITH OBJECT]
Hand over (a person accused or convicted of a crime) to the jurisdiction of the foreign state in which the crime was committed.

‘Brazil refused to extradite him to Britain’

extradition
NOUN
mass noun
The action of extraditing a person accused or convicted of a crime.

‘they fought to prevent his extradition to the US’
count noun ‘emergency extraditions’

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この単語は、ニュースや新聞などで多用されていますので、覚えておくと便利です。
日常会話では、あまり使用する機会はありませんが。

ワタシが、今までの人生でこの単語を日常会話で使ったのは、今の所、二回だけ。

一度目は、Home Office (英国内務省)に勤める友人と仕事の話をしていて、彼が犯罪者の extradition を担当する部署に異動になったと言う話を聞いた時。

そして二度目は、今回のゴーン氏の逃亡劇について、同僚と世間話で話した時。

英国に19年近く住んでいて、たった二回かあ。それを多いとみるか少ないとみるか。

ちなみにワタシは、この単語(extradite) と、expedite という単語がすぐにゴッチャになってしまいます。

字面が似てると思いませんか?

ついでに、この単語も某ア○ク辞書とOxford English Dictionary で引いておきましょう。

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expedite
【他動】
〈文〉~(の進行)を早める、~を促進させる
・Anything you could do to expedite a solution would be very much appreciated. : どんな形であれ迅速な処置をしていただければ感謝致します。
〈文〉~を迅速に[効率よく]処理する
〈文〉〔正式に〕~を急送[発送]する
・Stamped envelope is provided to expedite your reply. : ご返事の便宜のため切手を貼った封筒を用意致しました。
【レベル】12、【発音】ékspədàit、【@】エクスペダイトゥ、【変化】《動》expedites | expediting | expedited、【分節】ex・pe・dite

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expedite
VERB
[WITH OBJECT]
Make (an action or process) happen sooner or be accomplished more quickly.

‘he promised to expedite economic reforms’

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expedite は、日常会話では、ほぼ使った事がありませんが、ビジネスでは良く使いますので、覚えておくと便利です。