「通天閣」を読んで、西加奈子さんに興味を持ったワタシ。
もっと彼女の作品を読みたいと、先日の一時帰国で
彼女の作品を数冊入手してきました。
とは言っても、彼女もすでにけっこうな数の著作があるので、
一度に全部入手するわけには行きません。
いくら大人買いするといっても、他の作者の本も欲しいですし、
スーツケースのスペースには限りがあります。
一時帰国の際には、某ア○ゾンで前もって本を物色、
ポチっと購入して実家に送っておきます。
一時帰国中は何かと忙しくて、
本屋さんでゆっくり買い物する時間がないのです。
もちろん、本屋さんに立ち寄る機会があれば、
その場で気になる本を数冊購入するのですが。
そしてどんどん、持って帰る本が増えていくのです。
さて、これは前もって某ア○ゾンでポチっと購入した本です。
数ある西加奈子の著作の中から本作を選んだのは、
レビューの星が多かったこともありますが、あらすじを読んで、
これはもしかして、彼女自身の自伝的な物語なのかな、と思ったから。
ワタシが彼女に興味を持ったのは、
そもそも最初に読んだ「通天閣」を読もうと思ったのは、
彼女のプロフィールに拠るところが大きいのです。
イランのテヘランで生まれ、大阪で育ったという。
イランのテヘラン!
イラン!
憧れのイラン!
そう。実はイランは、ワタシの憧れの国なのです。
昔々、ワタシの祖父が、駐在員としてイランに赴任していたらしいのです。
ワタシが生まれる前になくなったので、写真の中の祖父しか知りません。
砂漠の中で、顔の濃いイラン人たちと並んで彼の写真を見て育ったワタシは、
漠然と、イランという国に憧れてきたのです。
そして、この本!
この本は、主人公(男性)が、左足から生まれる場面から始まります。
逆子ですな。
お産、大変やったろう。それもイランやし。
彼の誕生後まもなく、折りしもイラン革命が勃発し、
主人公一家は大阪に帰国します。
そして、小学校に上るまでの期間を大阪で過ごしたあと、
今度は父親の新たな赴任先が、エジプト、カイロに決まります。
この小説は、(上)(中)(下)の3巻から成るのですが、
上巻では、今のように、海外旅行が身近になる前の時代の、
海外、それも中東での駐在生活の描写がふんだんに見られます。
ワタシはそれを、祖父のイラン生活と重ね合わせて読みました。
他の読者の皆さんの中には、この部分を退屈だと感じられ人もいたようですが、
ワタシとしては、個人的な事情により、上巻が一番おもしろかったです。
上巻で描写されるイラン、そしてカイロでの idyllic な生活は、
その後はじまる主人公の(精神的)苦難に満ちた人生の序章であり、
思春期、そして青年になった彼の精神的 odyssey へと続くのです。
3巻もありますが、読みやすい本なので、すらすら読めます。
普段あまり本を読まないという方にも、お勧めできる本だと思います。
直木賞もとったしね!
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