Tuesday 17 July 2018

れんげ荘

せっかくセミリタイアしたんだから、
時間はたっぷりあるんだから、
いっぱい本を読まないと!

と気負ってしまうと、逆に本から遠のいてしまっていました。

まあ、人生そんなものです。

でもやっぱり、せっかく時間があるんだから、
今まで出来なかったことをやりたい。

買うだけ買って、時間がなくて読めなかった本を読んだり、
読み始めたけど途中で放ってしまった本に再度チャレンジしたり、
昔読んだお気に入りの本を再読したり、
図書館で半日過ごして、とりあえず目に付いた本を手にとって読みふけったり。

そんな生活ができる贅沢を楽しみたいのです。

フルタイムサラリーマン時代は、なかなかゆっくり本を読むこともできませんでした。
ベッドに本を持って入っても、気がついたら寝てたからなあ。

そんな、フルタイムでサラリーマン時代に読んで、
気に入って、トイレに置いて何度も再読していた本があります。

ところで、トイレに置くのは、初めて読む本は向きません。
再読する本でも、推理小説などは向きません。
何度読んでも、どこから読んでも、少しだけ読んでも楽しめる本がおすすめです。

短編小説やエッセイ等が無難かもしれませんが、
星新一のショートショートレベルでないと一度のトイレでは完結しないと思いますので、
別に短編である必要はないと思います。
部分的に読んでも楽しめる本が一番です。

話がそれました。閑話休題。

サラリーマン時代に読んで気に入ってトイレに置いてる本。

群ようこ さんの「れんげ荘」です。

広告代理店につとめる40代半ばの独身女性、キョウコは、
ある日、会社を辞め、それまで住んでいた実家を出て、
れんげ荘という安アパートに引越します。

新しく仕事を探す予定はありません。
無職のまま、それまでの社畜的会社員生活で貯めた貯金を
1ヶ月10万円ずつ取り崩しての、年金生活ならぬ、貯金生活です。

この本を読んで、私のセミリタイア願望が強まったと思います。

主人公のキョウコさんは、おそらく大体45歳。
私が早期リタイアしようと決心したのも、45歳になる年の初めでした。
多分、女性の45歳くらいって、心身ともに疲れ果てる年齢なんだと思います。

女性の厄年(大厄)は、数え33歳ですが、
昔は女性の数え33歳っていうのは、出産を終えてまだ子供には手がかかって、
でも、そろそろ親の老後の心配もしないといけなくて、
色々な事が積み重なって大変な時期だったんだと思います。
だから、無理をしすぎて身体を壊したりする。

でも、現代の日本女性のライフスタイルだと、数えの33歳ってまだまだ若いし、
確かにそのくらいの年齢で出産される方が多いと思うので、
それは大変だとは思いますが、まだまだ親も元気で頼りにできます。

それに引き換え、40代半ばになると、子供の受験があったり、
親が弱り始めて、頼りにするどころか老後の心配をしなくちゃいけないし、
そして人によってはプレ更年期障害が襲ってくる。
現代のライフスタイルだと、むしろ45歳くらいが大厄なのではないかと
感じてしますのです。

たぶん女性の場合、50歳の前後5年くらいがかなりしんどくて、
55歳以降くらいから、また元気になれるんじゃないかと思ってします。

まあ、個人差はあると思いますが。

まあ、そんなこんなで、どうしても自分の状況と重ね合わせてしまって、
他人事とは思えない「れんげ荘」なのでした。

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